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食べる機能は衰える

食べることは人生において誰にとっても楽しいことですね。でも年齢を重ねていくと、足などの筋肉と同じように、口腔・咽頭周りの筋肉も衰え始め、むせやすくなったり、飲みこみづらいなど、食べたり、飲み込んだりする機能(食べる力)が衰えてきます。
 
ところが、食べる行為が、日常的に無意識に当たり前のように行えていることから、多少のむせや飲み込みづらさなどがあっても、食べる力の衰えの兆候と捉えず、歳だからとあまり気にしない方が少なくありません。
 
何も対処しないでそのまま食べる力の衰えが進むと、食事が、やわらかい、飲み込みやすい食べ物に偏ったり、食べづらさから食事量が減ったりして、低栄養状態に陥る危険性がでてきます。さらに体力が低下すると、外出や会話をすることも億劫になり、人と接しない閉じこもる生活を続けてしまうようになり、食欲の減退や運動器機能の低下にもつながっていきます。
食べる力の衰えから全身状態の悪化が始まると言っても過言ではありません。
 
また誤嚥性肺炎や、のどに食べ物が詰まっておこる窒息事故、脱水といった、命の危機に直結する事態を招くことにもなりかねません。誤嚥性肺炎は誤嚥したからといって、すぐになるものではありませんが、何度も誤嚥することでリスクが高まるので、誤嚥予防しながら、誤嚥しても防御できる力をつけることが大切なのです。

楽しく続けられる体操で食べる力を鍛えよう

そこで誰もが誤嚥などの食べる機能に関する正しい知識を学んで、自分の食べる機能状態を理解して、機能の維持や低下予防に努めることが必要になってきます。
 
日々の生活に体操などを取り入れて毎日続けていくのがベストですが、単調な訓練だとなかなか続けていくことが難しいのが現実です。そこで、私たちは楽しく続けられることを目的に、歌と音楽に合わせてカラダを動かす嚥下体操を作成しています。
 
新宿区でも私たちのノウハウを提供してオリジナルの体操を作りました。

区民が自主的に活動

また、こうした取り組みは医療や行政側からの情報発信だけでは限りがあるので、住民のみなさまに啓発活動の担い手になって頂き、地域の中で自主的に進めていけるための取り組みも併せて行っています。それが本事業「地域の担い手「ごっくんリーダー」による「食べる力」推進プロジェクト」です。
 
住民のみなさまお一人お一人が啓発活動の担い手、体操実践者の一人「ごっくんリーダー」として、活動にかかわることで、自分自身はもちろん、家族や友人、周りの方など身近な大切な方々に「食べる機能の衰え」に気づく機会をたくさん作ることができます。
 
さあ、みんなで「ごっくんリーダー」になって、「食べる力」を鍛えましょう。
 
生涯にわたって安全に安心して、美味しく食事を味わいながら、豊かな健康長寿を手に入れられるよう、私たちは応援していきます。

特定非営利活動法人メディカルケア協会