摂食嚥下(たべる、のみこむ)の衰えとは
加齢や病気などで口やのどの動きが悪くなり、口に食べ物が残り続けてしまうことや、のどにひっかかるような違和感があること、むせこむなどの症状で「食べづらさ」や「飲み込みづらさ」が出ている状態です。
特に食べ物や水分が、本来通るべき食道を通らずに誤って気管に入ることを「誤嚥」といいます。
ポイント
高齢になると、「飲み込む力」も運動機能と同じように衰えてきます
誤嚥しかけると気管内に入らないよう異物を排出するために激しくムセ込みます。ムセることにより気管への侵入を防いでいます。
ところが、のどの感覚や咳の力が弱くなっていると、気管に入りかけてもムセないことがあります。これを「不顕性誤嚥」といいます。
誤嚥しても周囲の人が気付きにくいため、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性が高くなります。
ポイント
ムセは防御反応です。しっかりムセましょう!
摂食嚥下機能の衰えを引き起こす原因
加齢、脳血管障害、パーキンソン病、認知症などが主な原因と言われています。
特に舌やのどの飲み込みに必要な筋肉が衰えることで起こります。
それによって嚥下のタイミングのズレや、ムセこみ、誤嚥を引き起こします。
この状態を放っておくと、食事の量が減り、栄養や水分が不足して体力が低下するだけでなく、窒息にもつながります。
誤嚥性肺炎とは
症状
誤嚥によって起こる肺炎のことを「誤嚥性肺炎」といいます。
症状としては微熱、元気がない、食欲がない、倦怠感等があり、肺炎の一般的な症状である咳や痰が出ない場合もあります。
原因
- ①口やのどの細菌を食事や唾液とともに誤嚥した場合
- ②食物をそのまま誤嚥した場合
- ③胃や食道から逆流した内容物を誤嚥した場合
対応
- 口腔内を清潔に保ちましょう!
誤嚥性肺炎は口腔内細菌によって引き起こされるため、肺炎球菌ワクチンを接種しているからといって安心はできません。 - 飲み込みや咳を上手に出す訓練をしましょう!
えんげちゃんダンスがオススメです - 食べた後はすぐ横にならず座って休みましょう!
食後すぐ横になることで嘔吐の危険性が高くなります。